「もっとこうすればよかった」が、
この家では見つからない。
一本桁のオープン階段や、
家電がきれいにおさまる収納ユニット。
理想の家を思い描き、
そして理想を超える家が完成した。
地元に戻って、家を建てたい
S様邸を訪れたのは、曇天の12月某日。2階にあるリビングの一角には、大きなクリスマスツリーが飾られていた。開発分譲地内の東南角地で、晴れていればたっぷりと日差しが降り注ぐだろう。入居から1年弱が経過しているとのことだが、家の中はすっきりと片づけられ、とてもていねいに暮らされている印象を受けた。「仕事の関係で以前は東京の賃貸マンションに住んでいたんですけど、子どももほしいし、いつかは地元に戻って家を建てたいねって、ふたりで話していました」。もうすぐ1歳になる息子さんを抱きながら、奥様が当時を振り返る。「コトハウスの片山社長が、まあ、普段は親しみを込めて『瞬さん』と呼んでるんですけど、実は僕の兄の後輩で、そんな縁もあって今回家づくりをお願いしました」とご主人。
まずは好みを具現化するところから
自分たちにとっての理想の家は、どんな家なんだろう。SNSで情報収集し、まずは好みを具現化するところから始めた。奥様がこだわったのは、スタイリッシュな一本桁のオープン階段だ。 既製品でイメージにあうものはなく、桁と踏み板、そしてアイアンの手すりを、すべて造作することになった。玄関扉を開けるとL字型の土間が広がり、その上に階段がかかる。ホールの奥には洗面スペース、脱衣室、浴室などの水まわり、右側には洋室3部屋がレイアウトされた。一方のご主人は、ドイツ・ミーレ社製の家電がきれいにおさまる収納ユニットを希望。キッチンキャビネットにオーブンレンジ、スチームオーブン、コーヒーマシンを、脱衣室のカウンターに洗濯機と乾燥機を、それぞれぴったり面をあわせて設置できるようにした。
瞬さんに任せとけば間違いない
ご主人は打ちあわせのたびに東京から帰阪。出産準備でひと足先に里帰りしていた奥様も、身軽に動ける体ではない。回数は限られていたが、そのぶん密度を濃くし、片山と二人三脚で、いや、三人四脚でプランを練りあげていった。「自分と兄はセンスが違うので、その兄とつながりの深い人に依頼するのは少し不安でした。でも、すぐに『あ、瞬さんは僕ら夫婦の好みをちゃんと理解してくれてるな』と感じましたね」と、ご主人は語る。たとえば、外壁の色、巾木の材質や高さ、引き戸下部のレールの仕上げ。たくさんの選択肢の中で悩んだり、二者択一で迷ったりしたときには、いつも片山が納得のいく答えを提示してくれたという。奥様いわく、「途中からは『瞬さんに任せとけば間違いない』と、全幅の信頼を置いてました」
施主と工務店が、同じ目線、同じ感覚で
とくに予定のない日は、のんびりと自宅で過ごすことが多いS様一家。友人を招き、ホームパーティーを開く機会も増えたそうだ。カバザクラの無垢フローリングや折り上げ天井、やわらかな光を落とすダウンライトが、楽しいくつろぎの時間を演出してくれる。SNSで情報収集をするなかでよく目にしていた、「もっとこうすればよかった」という後悔ポイントは、今のところまったく見当たらない、とのことだ。やはり、言葉だけではなくビジュアルを使って意見のすりあわせを行ったのが奏功したのだろう。施主と工務店(大工)が、同じ目線、同じ感覚をもつことができれば、家づくりは間違いなく成功する。最後にご主人が、「どんな無理をいっても、瞬さんなら叶えてくれるんじゃないかな」とつぶやいていたのが印象的だった。
DATA
- 所在|大阪府和泉市
- 土地|約30坪
- 建物|約33坪
- 竣工|2022年2月
- 大阪府岸和田市/M様邸
ここが僕らの居場所なんだと、毎日のように幸せをかみしめて。